DrPepaoの時計と映画と食べ物日記

時計を中心に映画やファッションなどについて書いていきます。

映画の感想〜Silence(邦題:沈黙)〜

こんにちは、Pepaoです。
新作のレビューが続きましたが、今回はyoutubeでレンタルした映画の感想です。


遠藤周作の「沈黙」を原作としている本作は、信仰のありかたについて問う作品です。

<あらすじ>
17世紀中頃、日本で地下布教を続けていた司祭フェレイラからポルトガルイエズス会支部に日本における宗教弾圧の様子を伝える手紙が届く。
噂によると、フェレイラは厳しい拷問に屈して、キリスト教を棄てたという。
フェレイラを師と仰ぐロドリゴ、ガルぺの両神父は、噂を信じられず、禁教下の日本に渡り、フェレイラの消息を探ることにする。
日本に到着した二人は、一時、潜伏キリシタンたちにもてはやされるが、それも束の間。二人を匿っていたキリシタンたちが捕縛されてしまう。
捕まったキリシタンたちを待ち受けていたのは、激しい拷問や処刑。
ロドリゴ神父とガルぺ神父はそれぞれ分かれて、平戸と五島に向かうことにする。
しかし、案内役の裏切りを受けたロドリゴ神父は目的地に到着することなく捕まってしまう。
ロドリゴ神父は、宗門改方の井上筑前守から「神父が棄教すれば、信者たちも続いて棄教しよう。そうすれば大勢の命が救われる。」と棄教を迫られる。

<感想>
Pepaoは特に信心深い人間ではありませんが、カトリック系の学校に長く通っていたこともあり、信仰について考えさせられる作品でした。
昔、原作の「沈黙」を読みましたが、個人的には映画のが単純化されていてわかりやすくなっていると思いました。
一方で、原作より美化されているストーリーとも感ぜられました。
この映画を見る際には、当時の貧しい人々の無教養さ、西洋諸国のアジアにおけるキリスト教化政策を理解しておくのが望ましいと思います。
本作の日本語による批評レビューは著しく低く、海外における批評も高くはありません。
おそらく、観客側が、「現代人の感覚」で見るために、「意味がわからない。」状況に陥るのだと思います。
また、キリスト教という日本人にあまり馴染みのないものがテーマであることも一層評価を下げているのではないでしょうか。

ヒトは、「得体の知れないもの」は受け入れません。
戦国時代末期からバテレンが数多く日本を訪れましたが、異国の地・日本で、その教義を伝える際に仏教用語を多用しました。
無教養な民衆たちは、彼らの運営する救貧院や学校に引き寄せられて入信しますが、本来のキリスト教信仰とは異なるものだったと思われます。
一方で、施しなどを受けない切羽詰まっていない階層においては、流行り物を追う一部の人をのぞいては受け入れませんでした。(得体の知れないものだからです。)
本作でも、少しではありますが、このことが表現されているように思います。


今回もご覧いただき、ありがとうございました。